
格安SIMへ乗り換えたいと思っても、
「電話番号まで変わってしまうのは困る」
という理由で、なかなか行動できない人もいるでしょう。
長年使っている電話番号は、家族や友人だけでなく、勤務先、銀行、病院、ネットサービスなど、さまざまな場所に登録されています。
すべて変更するとなれば、大変な手間です。
しかし、現在使っている携帯電話番号は、MNPという仕組みを利用することで、番号を変えずに他の通信会社へ引き継ぐことができます。
最近では手続き方法も以前より簡単になっており、条件が合えば乗り換え先だけで手続きを進められる場合もあります。
この章では、格安SIMへの乗り換えで知っておきたいMNPの基本から、申し込み時に失敗しないための注意点までわかりやすく解説します。
MNPなら今の電話番号をそのまま引き継げる
MNPとは、現在使っている携帯電話番号を引き継いだまま、別の通信会社へ乗り換えるための仕組みです。
たとえば大手キャリアで「090」「080」「070」から始まる電話番号を使っている人が、格安SIMへ変更するとします。
MNPを利用して手続きをすれば、基本的には現在の番号をそのまま使い続けることができます。
そのため、乗り換え後に家族や友人へ、
「電話番号が変わりました」
と一斉に連絡する必要がありません。
仕事で使っている電話番号の場合も、番号が変わらないことには大きなメリットがあります。
格安SIMへ乗り換えることと、電話番号を変更することは別の話です。
「番号を変えたくないから乗り換えられない」と思っていた人も、MNPを利用すれば通信会社だけを変更できます。
MNPには「ワンストップ」と「予約番号を使う方法」がある
MNPの手続き方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは、乗り換え先から手続きを進めるMNPワンストップです。
現在利用している通信会社と乗り換え先の双方が対応しているなどの条件を満たせば、事前にMNP予約番号を取得せず、乗り換え先のWebサイトから手続きを進められます。
もうひとつが、従来からあるMNP予約番号を取得して乗り換える方法です。
こちらでは、現在契約している通信会社でMNP予約番号を取得し、その番号を使って乗り換え先へ申し込みます。
どちらを利用できるかは通信会社や申し込み方法によって異なるため、乗り換え先の公式サイトで確認しましょう。
MNP=必ず予約番号を取得するもの、とは限らなくなっています。
ワンストップを利用できる場合は、乗り換えの手間を減らせる可能性があります。
MNP予約番号を使う場合は有効期限に注意する
MNP予約番号を利用して乗り換える場合、注意したいのが有効期限です。
MNP予約番号には有効期間が設定されており、取得してからいつまでも利用できるわけではありません。
さらに、乗り換え先によっては、申し込み時点で一定以上の有効期間が残っていることを条件としている場合があります。
そのため、
「念のため、1か月前に予約番号だけ取っておこう」
という進め方はおすすめできません。
乗り換える格安SIMを決め、申し込みの準備ができてから予約番号を取得するほうがスムーズです。
予約番号を取得したら、
- 予約番号そのもの
- 有効期限
- 現在の契約名義
などを確認しておきましょう。
「予約番号を取ること」を目的にせず、取得したら早めに乗り換え手続きを進めることがポイントです。
契約者名義が違うと手続きで困ることがある
MNPを利用するときに意外と見落としやすいのが、契約者名義です。
たとえば、自分が使っているスマートフォンでも、契約者は父親や母親になっていることがあります。
特に、学生時代から同じ電話番号を使い続けている人は注意しましょう。
MNPでは、現在の通信会社と新しい通信会社との間で契約者情報の確認が必要になる場合があります。
名義が一致していないと、通常通り手続きを進められない可能性があります。
乗り換え前には、
- 現在の契約者は誰か
- 登録されている氏名
- 住所などの契約情報
- 乗り換え先で誰の名義にするか
を確認しておきましょう。
家族全員で格安SIMへ乗り換える場合も、それぞれの回線の契約名義を確認しておくとスムーズです。
普段使っている人と契約している人が同じとは限らない。
ここを事前に確認しておくことが大切です。
先に現在の回線を解約しないことが重要
MNPで特に気をつけたいのが、現在利用している通信会社を自分で先に解約してしまうことです。
電話番号を引き継ぎたい場合は、基本的にMNPによる乗り換え手続きとして進めます。
先に通常の解約をしてしまうと、それまで使っていた電話番号を引き継げなくなる可能性があります。
「格安SIMへ行くのだから、まず今の会社を解約しよう」
と考えてしまいそうですが、順番を間違えないようにしましょう。
MNPによる乗り換えでは、新しい通信会社で回線の切り替えが完了することで、従来の通信契約が終了する形になるのが一般的です。
そのため、利用者側が先に通常解約する必要は基本的にありません。
電話番号を残したいなら、「解約してから契約」ではなく「MNPで乗り換える」と覚えておきましょう。
回線切り替えのタイミングを確認しておく
格安SIMへの申し込みが完了しただけでは、すぐに現在の回線が使えなくなるとは限りません。
SIMカードを利用する場合は、新しいSIMカードが届いてから回線切り替えを行うケースがあります。
eSIMでは、オンライン上で設定を進めて開通させる場合があります。
どの段階で旧回線から新回線へ切り替わるのかは、利用するサービスによって異なります。
仕事でスマートフォンを使う人は特に、
- 回線切り替えの受付時間
- 開通までの手順
- SIMカードが届く時期
- 切り替え後に必要な初期設定
などを確認しておきましょう。
回線の切り替え直後には、端末の再起動や通信設定が必要になる場合もあります。
重要な電話を待っている時間帯に慌てて切り替えるより、落ち着いて設定できる時間を選ぶと安心です。
電話番号が同じでも確認しておきたいサービスがある
MNPで電話番号を引き継げたとしても、通信会社を変更することで利用条件が変わるサービスがあります。
特に注意したいのが、通信会社独自のサービスです。
たとえば、
- キャリアメール
- 留守番電話サービス
- 転送電話などの通話オプション
- 端末保証
- 家族向けサービス
- 通信会社独自の会員サービス
などです。
電話番号は同じでも、契約している通信会社そのものは変わります。
そのため、現在使っているサービスが乗り換え後も同じように利用できるとは限りません。
特に仕事や生活に欠かせないサービスがある場合は、乗り換え前に確認しておきましょう。
「電話番号が残る=現在の契約内容がすべて残る」ではありません。
MNPで引き継ぐものと、通信会社の変更によって終了するものを分けて考えることが重要です。
まとめ
MNPを利用すれば、現在使っている携帯電話番号を引き継いだまま格安SIMへ乗り換えることができます。
そのため、通信費を安くしたいからといって、長年使ってきた電話番号まで変更する必要はありません。
乗り換えるときに確認しておきたいのは、
- MNPワンストップを利用できるか
- MNP予約番号が必要か
- 予約番号を使う場合の有効期限
- 現在の契約者名義
- 回線切り替えの方法
- 乗り換えによって終了するサービス
などです。
そして最も注意したいのが、電話番号を残したいのに、先に現在の回線を通常解約してしまわないことです。
MNPの手続きとして乗り換えれば、電話番号を変更する手間を減らしながら通信会社だけを変更できます。
以前は、MNPという言葉だけで難しい手続きに感じた人もいるかもしれません。
しかし、現在は条件が合えば予約番号を事前取得せずに手続きできる仕組みもあり、乗り換えの負担は軽くなっています。
電話番号をそのまま残せることがわかれば、格安SIMへの乗り換えはぐっと現実的になります。
そして、さらに手続きを簡単にできる可能性があるのがeSIMです。
次章では、SIMカードの到着を待たずに乗り換えられる場合もあるeSIMについて、その仕組みやメリット、注意点を詳しく解説していきます。

