
格安SIMへの乗り換えは、通信費を大きく下げられる可能性がある一方で、事前確認をせずに手続きを進めると、思わぬところで困ることがあります。
「電話番号はそのまま使えるのか」
「今のスマホは使い続けられるのか」
「キャリアメールはどうなるのか」
「家族割やインターネットとのセット割はなくならないのか」
こうしたポイントを乗り換え後に知ると、予定外の出費や手間が発生することがあります。
格安SIMへの変更は、それほど難しい手続きではありません。
しかし、安さだけを見て急いで申し込むのではなく、現在の契約状況を整理してから動くことが大切です。
この章では、大手キャリアから格安SIMへ乗り換える前に確認しておきたいポイントを順番に解説していきます。
まず現在の契約内容と毎月の支払額を確認する
最初にやるべきことは、現在の契約内容を確認することです。
「毎月8,000円くらい払っている」というだけでは、どの部分を格安SIMで安くできるのか判断できません。
請求明細を開き、少なくとも次の項目を確認してみましょう。
- 基本となる料金プラン
- データ容量
- 通話オプション
- 端末代金
- 端末保証
- 有料オプション
- 各種割引
たとえば、毎月8,000円払っていたとしても、そのうち3,000円がスマートフォン本体の分割代金なら、通信料金は5,000円ということになります。
格安SIMへ乗り換えて通信料金を2,000円まで下げても、端末代金が残っていれば支払い総額は5,000円前後になる可能性があります。
この仕組みを知らないと、
「格安SIMにしたのに思ったほど安くならなかった」
と感じてしまいます。
まずは通信料金と端末代金を分け、どこを節約できるのかを把握しましょう。
今使っているスマホが乗り換え先で使えるか確認する
格安SIMへ乗り換えるからといって、必ず新しいスマートフォンを購入する必要はありません。
現在使っている端末が乗り換え先の通信サービスに対応していれば、そのまま使い続けられる場合があります。
これは節約という点でも大きなメリットです。
しかし、すべてのスマートフォンがすべての通信会社で利用できるとは限りません。
乗り換え前には、候補となる通信会社の動作確認端末一覧などで、自分のスマートフォンが対応しているか確認しておきましょう。
特に確認したいのは、
- スマートフォンの機種名
- 購入した通信会社
- SIMカードかeSIMか
- 音声通話に対応しているか
- データ通信に対応しているか
などです。
同じ機種名でも販売元などによって仕様が異なるケースがあるため、機種名だけで判断せず、公式情報を確認するのが安心です。
乗り換え先を決める前に端末の対応状況を確認する。
これだけでも、乗り換え後のトラブルをかなり防げます。
電話番号を引き継ぐか新しく取得するか決めておく
今使っている電話番号をそのまま利用したい場合は、電話番号を引き継いで他社へ乗り換える手続きを利用します。
長年使っている電話番号であれば、家族や友人だけでなく、銀行、病院、仕事関係、各種Webサービスなどにも登録している可能性があります。
そのため、多くの人は現在の番号を引き継いだほうが手間を減らせます。
一方で、
「この機会に電話番号も変更したい」
「データ通信専用として新しく契約したい」
という場合は、新しい番号を取得する方法もあります。
重要なのは、申し込み画面で間違えないことです。
電話番号を引き継ぎたいのに新規契約として申し込んでしまうと、新しい番号が発行される可能性があります。
電話番号を残すのか、新しくするのかを申し込み前に決めておくと、手続きがスムーズになります。
キャリアメールを使っている人は特に注意する
大手キャリアを長く利用している人ほど確認してほしいのが、キャリアメールです。
長年使っているメールアドレスを、
- 銀行
- クレジットカード
- ネット通販
- SNS
- 各種会員サービス
などに登録している人もいるでしょう。
通信会社を変更すると、それまで利用していたキャリアメールが従来と同じ条件では使えなくなる場合があります。
そのため、乗り換え前に自分がどのサービスへキャリアメールを登録しているのか確認しておきましょう。
今後の乗り換えを簡単にしたいのであれば、Gmailなど通信会社に依存しないメールアドレスへ少しずつ移行しておく方法もあります。
そうすれば、将来また通信会社を変更するときにも、メールアドレスを理由に乗り換えをためらいにくくなります。
通信会社とメールアドレスを切り離しておくと、今後の料金見直しが自由になります。
家族割やセット割がなくなった後の総額を計算する
大手キャリアを利用している場合、家族割引や自宅インターネットとのセット割引などを受けていることがあります。
格安SIMへ乗り換えると、一部の割引条件から外れる可能性があります。
そのため、乗り換え前には割引がなくなった後の家計全体の支出を確認しておきましょう。
たとえば現在、スマホ料金が月7,000円で、格安SIMへ変更すると月2,000円になるとします。
一見すると毎月5,000円の節約です。
しかし、乗り換えによって自宅インターネットの割引が月1,000円なくなるなら、家計全体での節約額は実質4,000円程度になります。
それでも十分安くなるかもしれません。
重要なのは、
「スマホ単体でいくら安くなるか」ではなく、「家庭全体の通信費がいくら変わるか」
を見ることです。
家族全員の契約状況をまとめて確認すると、より正確に判断できます。
端末代金や保証サービスがどうなるか確認する
現在使っているスマートフォンを分割払いで購入している人は、残りの端末代金についても確認しておきましょう。
通信会社を変更したからといって、スマートフォン本体の残債まで自動的になくなるわけではありません。
乗り換え後も分割払いが続く場合があります。
また、現在加入している端末保証についても確認が必要です。
通信契約を解約すると保証サービスも終了する場合や、条件が変わる場合があります。
高額なスマートフォンを使っている人にとっては、故障や破損への備えも重要です。
乗り換え先に保証サービスがあるなら、
- 月額料金
- 保証内容
- 自己負担額
- 対象となる故障や破損
などを比較しておきましょう。
通信費だけを安くして、別の出費が大きく増えてしまわないようにすることがポイントです。
乗り換える日は料金の締め日や開通タイミングも意識する
格安SIMへの乗り換えでは、申し込み日だけでなく、実際に回線が切り替わるタイミングも確認しておくと安心です。
料金の請求方法は通信会社によって異なります。
解約月の料金が日割りになる場合もあれば、ならない場合もあります。
また、SIMカードを利用する場合は、申し込んだその瞬間に乗り換えが完了するとは限りません。
SIMカードの受け取りや回線切り替えの手続きが必要になることがあります。
仕事などでスマートフォンを頻繁に利用している人は、余裕のある日に切り替えると安心です。
さらに、月末ぎりぎりに手続きをすると、配送状況や本人確認などによって予定していた月内に開通できない可能性もあります。
数百円を節約するために無理な日程で手続きをするより、確実に乗り換えられる日を選ぶほうが安心です。
まとめ
大手キャリアから格安SIMへ乗り換えるときは、月額料金の安さだけを見て申し込むのではなく、現在の契約状況を整理しておくことが大切です。
特に確認しておきたいのは、
- 現在の料金プランと請求内訳
- スマートフォン本体の対応状況
- 電話番号を引き継ぐかどうか
- キャリアメールの利用状況
- 家族割やセット割への影響
- 端末代金や保証サービス
- 乗り換えのタイミング
です。
事前確認には多少の手間がかかります。
しかし、この準備をしておけば、乗り換え後に、
「このスマホが使えなかった」
「メールが使えなくなって困った」
「思ったほど家計が安くならなかった」
と慌てる可能性を減らせます。
格安SIMへの乗り換えで大切なのは、安いプランを急いで契約することではなく、自分の現在地を確認してから動くことです。
準備ができていれば、乗り換えそのものは決して難しいものではありません。
そして次に迷いやすいのが、数多くある格安SIMの中からどの会社を選べば失敗しにくいのかという点です。
次章では、料金だけに惑わされず、自分に合った格安SIMを選ぶためのチェックポイントを詳しく見ていきます。
