
格安SIMで毎月の通信費を安くできても、海外へ行ったときに高額な通信料金が発生してしまっては、せっかくの節約効果が小さくなってしまいます。
海外旅行や海外出張では、普段と同じ感覚でスマートフォンを使おうとすると、国内とは異なる料金体系が適用される場合があります。
そこで重要なのが、出発前に海外でスマートフォンをどのように使うのか決めておくことです。
海外での通信方法には、
- 契約中の通信会社の海外ローミングを利用する
- 現地で使えるSIMやeSIMを用意する
- 海外用Wi-Fiルーターを利用する
- ホテルや空港などのWi-Fiを活用する
など、いくつかの選択肢があります。
どれが一番安いかは、旅行先、滞在日数、データ使用量、利用する通信サービスなどによって変わります。
この章では、海外でもスマートフォンを便利に使いながら、通信費を必要以上に増やさないための考え方をわかりやすく解説していきます。
まず契約中の格安SIMが海外で使えるか確認する
海外へ行くことが決まったら、最初に現在契約している格安SIMの海外利用条件を確認しましょう。
格安SIMだからといって、すべてのサービスで海外通信が同じように利用できるわけではありません。
サービスによっては、
- 海外ローミングに対応している
- 音声通話だけ海外利用に対応している
- データ通信には別の申し込みが必要
- 利用できる国や地域が限定されている
といった違いがあります。
確認せずに現地へ行き、
「海外でもそのまま使えると思っていたのにつながらない」
となってしまうと困ります。
逆に、利用できる場合でも料金体系を知らずに使うと、想定以上の料金になる可能性があります。
出発前には必ず、契約中の通信会社の公式案内で、海外利用の条件と料金を確認しておきましょう。
短期旅行なら海外ローミングが手軽な場合もある
数日程度の短い旅行であれば、現在契約している通信会社の海外ローミングを利用する方法は非常に手軽です。
スマートフォンや契約内容が対応していれば、現地へ到着したあとに設定を変更するだけで通信できる場合があります。
最大のメリットは、
SIMを交換したり、別の通信サービスへ申し込んだりする手間を減らせることです。
たとえば、3日間の旅行で地図やLINEを少し利用するだけなら、多少料金が高くても手続きの簡単さを優先するという考え方もあります。
一方で、長期間滞在したり、大量のデータ通信を利用したりする場合は、別の方法のほうが安くなる可能性があります。
海外通信では、
「最安かどうか」だけではなく、「手間を含めて納得できるか」
も判断材料にするとよいでしょう。
eSIMなら海外用回線を追加しやすい
海外旅行との相性がよい仕組みのひとつがeSIMです。
対応しているスマートフォンであれば、物理的なSIMカードを交換せず、海外で利用する通信契約を追加できる場合があります。
たとえば、日本で使っている回線を残したまま、海外ではデータ通信だけ別のeSIMを利用するといった方法です。
これなら、小さなSIMカードを旅行先で交換する必要がありません。
また、現地到着後にSIMショップを探す手間を減らせる場合もあります。
ただし、利用する前には、
- スマートフォンがeSIMに対応しているか
- 渡航先で利用できるサービスか
- 何GB利用できるか
- 利用可能日数
- 音声通話が必要か
を確認しておきましょう。
海外用eSIMは便利ですが、料金だけでなく利用条件まで確認して選ぶことが重要です。
現地SIMは長期滞在や大量通信で有利になることがある
海外へ長期間滞在する場合は、現地で使えるSIMを利用する方法もあります。
現地の通信サービスを利用することで、データ容量を比較的多く使える場合があります。
たとえば、
- 数週間以上滞在する
- 仕事で毎日大量に通信する
- 外出先で動画やビデオ会議を利用する
- 現地の電話番号が必要
という人には向いていることがあります。
ただし、購入や設定には多少の手間がかかる場合があります。
また、端末が現地の通信回線に対応しているかも確認が必要です。
現地SIMを使う場合でも、ホテルへ到着してから慌てて探すより、旅行前に候補や設定方法を調べておくほうが安心です。
滞在期間が長くなるほど、「毎日の通信料金」ではなく「滞在期間全体の総額」で比較することが大切です。
ホテルや空港のWi-Fiを上手に活用する
海外で通信費を抑えるうえでも、Wi-Fiは強い味方です。
ホテル、空港、カフェ、施設などでWi-Fiを利用できれば、モバイルデータ通信を節約できます。
特に、
- 動画を見る
- 写真をクラウドへバックアップする
- アプリを更新する
- 大量の写真を家族へ送る
- 仕事のファイルを送受信する
といった大きな通信は、信頼できるWi-Fi環境で行うとデータ容量を節約できます。
ただし、無料Wi-Fiを利用するときには安全面にも注意が必要です。
提供元が不明なネットワークへ安易に接続することは避け、重要な個人情報や決済情報を扱う場面では慎重に判断しましょう。
無料だから使うのではなく、安全性を確認したうえで利用することが大切です。
出発前に地図や動画をダウンロードしておく
海外でデータ容量を節約する非常に簡単な方法が、必要なデータを日本にいる間にダウンロードしておくことです。
たとえば、
- 旅行先の地図
- 航空券やホテル予約情報
- 観光地の情報
- 移動中に見る動画
- 音楽や電子書籍
などを事前に端末へ保存しておきます。
そうすれば、海外でその都度インターネットへ接続して情報を読み込む必要がありません。
特に地図は旅行中に何度も利用するため、オフラインでも確認できるよう準備しておくと便利です。
ホテルの住所や連絡先など、絶対に必要になる情報は、スクリーンショットなどでも保存しておくと安心でしょう。
海外通信の節約は、現地へ行ってから始めるのではなく、日本を出発する前から始まっています。
データローミングの設定を理解しておく
海外へ行く前には、スマートフォンのデータローミング設定についても確認しておきましょう。
海外ローミングを利用する場合は、この設定が必要になることがあります。
一方、海外通信を利用する予定がないのにデータローミングを有効にしたままだと、意図しない通信が発生する可能性があります。
そのため、海外到着後に、
- どのSIMをデータ通信に使うのか
- 日本の回線でローミングを使うのか
- 海外用eSIMをデータ回線にするのか
を確認しましょう。
デュアルSIMを利用する場合は、特にどちらの回線がデータ通信に設定されているのかを確認しておくことが重要です。
「つながったから大丈夫」ではなく、「どの回線でつながっているのか」を確認することで、想定外の料金を防ぎやすくなります。
まとめ
海外旅行や海外出張でも、事前に通信方法を決めておけば、スマートフォンの通信費を必要以上に増やさずに済みます。
主な選択肢は、
- 契約中の通信会社の海外ローミング
- 海外用eSIM
- 現地SIM
- Wi-Fiルーター
- ホテルや空港などのWi-Fi
です。
短期間なら手軽な海外ローミング、長期滞在なら現地SIMや海外用eSIMなど、旅行スタイルによって適した方法は変わります。
また、地図や動画、音楽などを日本にいる間にダウンロードしておけば、現地で必要なデータ通信量そのものを減らせます。
海外で通信費を抑える最大のポイントは、現地へ着いてから通信方法を考えないことです。
出発前に料金、利用可能地域、データ容量、スマートフォンの設定まで確認しておけば、現地では安心して利用できます。
安さだけを求めて複雑な方法を選ぶ必要もありません。
旅行期間と自分の使い方に合った方法を選び、必要な通信だけにお金を払う。
この考え方は、日本国内で格安SIMを選ぶときと同じです。
次章では、通信会社の料金表示でよく見かける「実質0円」「ポイント還元」などに惑わされず、本当の支払額を比較する方法について詳しく解説していきます。

