
ここまで、格安SIMを選ぶために必要なポイントを一つずつ確認してきました。
データ容量、通話、通信速度、サポート、端末の対応状況、キャンペーンなど、比較する項目は意外と多くあります。
そのため、最後の段階になると、
「結局どれを選べばいいのかわからない」
「候補が3社くらい残って決められない」
という状態になることがあります。
しかし、格安SIM選びでは、すべての項目で一番優れているサービスを探す必要はありません。
自分にとって重要な条件を満たし、無理なく払い続けられるサービスを選べば十分です。
この章では、候補となる格安SIMを絞り込み、最後の1社を決めるための考え方を整理していきます。
最初に「絶対に外せない条件」を3つ決める
格安SIMを比較するときは、条件を増やしすぎると決めにくくなります。
そこで最初に、自分にとって絶対に外せない条件を3つ程度に絞りましょう。
たとえば、
- 月10GB程度使えること
- 短時間のかけ放題があること
- 月額3,000円以内であること
というように決めます。
別の人なら、
- 昼休みでも快適に使いたい
- 店舗サポートが欲しい
- 今のスマホをそのまま使いたい
という条件になるかもしれません。
重要なのは、他人のおすすめ条件ではなく、自分の生活に必要な条件を決めることです。
優先順位が決まれば、候補をかなり絞り込みやすくなります。
月額料金より「実際に払う金額」で比較する
候補を比較するときに、もう一度確認したいのが料金です。
広告に表示された最低料金だけを比べるのではなく、自分が実際に利用する条件を入れて計算しましょう。
たとえば、
- 基本料金
- 必要なデータ容量
- かけ放題
- 必要な有料オプション
をすべて含めます。
格安SIMAが月1,500円、格安SIMBが月1,800円だったとしても、Aでは必要な通話オプションが800円、Bでは300円なら、
A:2,300円
B:2,100円
となり、最初の印象とは逆転します。
さらに、期間限定割引がある場合は、その終了後の通常料金も確認しましょう。
比較するのは広告の数字ではなく、自分の使い方を当てはめた最終支払額です。
料金差が小さいなら使いやすさを優先する
候補を絞り込んでいくと、最終的に月数百円程度しか違わないことがあります。
たとえば、
- A社:月2,000円
- B社:月2,200円
という場合です。
年間の差額は、
200円 × 12か月 = 2,400円
です。
もちろん2,400円も大切なお金ですが、B社のほうが自分の利用時間帯で快適だったり、サポートが充実していたりするなら、月200円を払う価値があるかもしれません。
格安SIM選びでは、1円単位の最安を目指す必要はありません。
料金差が小さいなら、毎日の使いやすさや安心感を優先するという判断も十分合理的です。
迷ったら「一番困ること」を基準にする
2社や3社まで候補を絞ったのに決められない場合は、
「スマホを使っていて一番困りたくないことは何か」
を考えてみましょう。
たとえば、
- 仕事中に通信が遅いのは困る
- 月末にデータ容量がなくなるのは困る
- 困ったときに相談できないのは不安
- 電話料金が高くなるのは避けたい
などです。
この「一番避けたいこと」が明確になれば、最終判断がしやすくなります。
仕事でスマートフォンを頻繁に使う人なら、月額料金より通信の安定性を重視するかもしれません。
ほとんどWi-Fiしか使わない人なら、通信速度より料金の安さを優先できるでしょう。
完璧な格安SIMを探すのではなく、自分が最も困る問題を避けられるサービスを選ぶと失敗しにくくなります。
口コミは「自分と同じ使い方の人」を参考にする
最終判断の前に口コミや利用者の感想を見る人も多いでしょう。
口コミは参考になりますが、すべてをそのまま信じる必要はありません。
同じ格安SIMでも、
- 利用する地域
- 利用時間帯
- スマートフォンの機種
- 主に使うアプリ
などによって感じ方は変わります。
「速度が遅い」という口コミがあっても、その人が毎日昼休みに高画質動画を見ているのであれば、自宅Wi-Fi中心の人にはあまり参考にならないかもしれません。
反対に、自分と同じ地域、同じ利用時間帯、似た使い方をしている人の感想なら参考にしやすくなります。
口コミを見るときは評価の点数だけでなく、「その人がどんな条件で使っているのか」を見ることが重要です。
キャンペーンは最後の比較材料にする
料金、データ容量、通話、通信品質、サポートまで比較して、それでも2社で迷う場合は、最後にキャンペーンを見てみましょう。
たとえば、どちらを選んでも満足できそうで、通常料金もほぼ同じなら、
- 初期費用の割引
- ポイント還元
- 端末割引
- 一定期間の料金割引
などを比較する価値があります。
ただし、これまで何度も触れてきたように、キャンペーンを最初の判断材料にしてはいけません。
自分に合うサービス同士の最後の決勝戦で、キャンペーンを使うくらいがちょうどよいでしょう。
条件を確認し、無理なく受け取れる特典なら、乗り換え時の負担をさらに小さくできます。
「70点なら十分」と考えると決めやすくなる
格安SIM選びで迷い続ける人は、100点満点のサービスを探していることがあります。
しかし、
- 最安
- 最速
- 大容量
- サポート充実
- キャンペーン最大
というすべての条件を同時に満たすサービスを探すのは簡単ではありません。
そこで、自分の重要条件を満たして70点から80点くらいなら十分と考えてみましょう。
たとえば、月額料金は最安ではないものの、必要なデータ容量があり、通信にも不満がなく、通話料金も納得できる。
それなら十分有力な候補です。
さらに、料金プランは将来変更することもできます。
一生同じ格安SIMを使わなければならないわけではありません。
最初から完璧な正解を探すより、今の生活に合った十分よい選択をすることが大切です。
まとめ
自分にぴったりの格安SIMを決めるときは、すべてのサービスを細かく比較し続ける必要はありません。
最後は次の順番で考えると判断しやすくなります。
- 絶対に外せない条件を3つ決める
- 実際に支払う料金を計算する
- 料金差が小さければ使いやすさを優先する
- 自分が一番困りたくないことを考える
- 自分と似た使い方の口コミを参考にする
- 最後にキャンペーンを比較する
そして、100点満点の格安SIMを探し続ける必要はありません。
必要な条件を満たし、毎月無理なく払い続けられ、普段の利用で大きな不満がなければ、それは十分「自分に合った格安SIM」です。
格安SIM選びの目的は、比較そのものではありません。
スマートフォンを今まで通り便利に使いながら、不要な通信費を減らすことです。
数百円の違いで何週間も迷うより、自分の優先順位を決めて選び、実際に使いながら必要に応じて調整していくほうが現実的です。
ここまで判断できれば、格安SIM選びはほぼ完成です。
次章はいよいよ最後の章です。
通信費は一度正しく見直せば、その後は毎月自動的に節約が続くという固定費削減の最大のメリットを振り返りながら、本書全体をまとめていきます。

